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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音
困ったな…
『……ほのり、
どうかした?顔が少し赤いよ?』
ちょっと、意地悪したくなった。
『えっ…そんなことないよ…?!』
『もしかして、
昨日のコト…思い出しちゃったの?』
耳元に近づいて声を落とすと、
小さな肩がぴくりと跳ねた。
『ひゃっ…!』
『あれ、フフ…
今もしかして、感じたんじゃない…?』
わざとだよ。
感じるように、わざと吐息をかけた。
『違っ…』
『昨日のほのり、すごく可愛かったもんなぁ…僕に甘えてしがみついて…たくさんおねだり、してきたもんね?』
恥ずかしがるのを分かってて。
ほら、言ったそばからもう耳まで真っ赤に染め上げて。それに…瞳が潤んできたね。
『やっぱり感じてるんでしょ…
ちょっと濡れちゃったんじゃない?』
『やだ、やめて勇く…』
『最後。崇臣に邪魔されなかったら、もう一回できたのにね。あれじゃあ、ほのりも物足りなかっただろ?ね…僕でまた、イきたい?』
『──っ!!』
両手で頬を覆うほのりは、必死に体の火照りを隠そうとする。今にも零れ落ちそうな位、その瞳に涙を浮かべているのに。
ああ…素直で泣き出しそうな君。
震える両手を掴み開いて、キスがしたい。
ダメ…!なんて弱く抵抗してみせる君を、構わずソッコーで押し倒してしまいたい。