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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音



『ふふ、すっごく良かった。またシよーね、崇臣♡』


後ろを通り過ぎて行った女のことは、誰だか全然目に入らなかった。何よりも、聞こえた名前が衝撃的で…


『うおっ、何だ勇祐か?!』

『…………』

『あ、お前…もしや、うんこ?』

『違うわ。』


出て来た男はやはり、崇臣だった。


『ハハ。や〜だぁ〜盗み聞き〜?』


その場で動けずに、固まった僕の隣。何食わぬ顔で並んだ崇臣は、軽口と共に蛇口をひねった。


ザーーーーッという水の音が、まるで二人を隔てるノイズのように鳴った。



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