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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音
『コージ、先行っとくぞ〜』
『うぃっす〜』
手を挙げて仲間を見送った先輩は、一人この場に残った。ので、必然的に何か話をしなくちゃいけない状況になってしまった。
『えーっと…先輩は移動教室ですか?』
『まーな。ところでお前、昨日は弓引くイメトレ、死ぬほどやったのか?』
『えっ?!』
『え、じゃねーよ。大事な大会前に残念しといてお前…何の反省もなしに、昨日をやり過ごせるわけがねーだろ、普通。それとも何か?お前まさか、ホントにただクソだけしてさっさと寝たとか…ぬかしたこと言うんじゃねーだろな?』
すごみの効いた声に圧倒される。
ちょっ、この人…部活と全然、違う……!
『おい?』
『うっ…!いや、あの…昨日は本当にすみませんでした!その…放課後まで、必死でイメトレしますので!』
怖…っ!!
人の二面性を立て続けに目の当たりにし、ビビりまくっていると…
『ぶはは!』
岡田先輩は、豪快に吹いた。