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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音
『うわっ…ちょ、何するんですかっ!』
身を捩り、乱雑な手から逃れると
『ホント言うとな?最初はお前…中じゃなくて、別のポジションに推そうと思ってたんだよ。』
驚いた?みたいな表情をした先輩と、目が合う。でも僕にはその話題、あまり興味がなくて。
『はぁ、そうですか…』
『どこだと思うよ?』
『さあ…二的か、落ち前ですか?』
そもそも団体戦に選抜されたこと自体、僕には信じられないことだった。それが、主力の三年生を差し置いて、中を務めているんだから…分不相応な感じが今でも拭えていない。
それでもあえて、二年の僕を中に推したのは…今後を見越し、経験を積ませておく為なんだろうと解釈している。本命抜擢でないことくらい、重々自覚があるんだ。