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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音


『……っていうか。何で先輩が、その試合のこと知ってるんですか?二年前とか…まだ全然赤の他人じゃないですか。』

『ん?ああ…ネットだよ、ネット動画。』

『は…?』

『いやぁ〜便利な世の中だよなぁ?個人名と学校名、それに弓道って入れて検索するだけでさ?本人の知らない間にも、過去の映像って簡単に見れちゃうものなんだもん(笑)』

『…はあ?!』


嘘だろ?!仮にもあれは、公式戦だぞ?!競技結果や写真だけならともかく…映像が?!そんなもの、勝手に流出す…


『プッ…くはは…』


!!
こ、この人…


『つーのは冗談!俺たまたまリアルタイムで観てたんだよ、観客側から。ちなみに決勝の対戦校、東中だっただろ?それ俺の、母校ね♪』


イタズラ成功〜☆みたいな顔した先輩は、得意げにピースを掲げ。ついでにその指で、脇腹をつついて来た。ほとほと呆れ、思い切り嫌な顔をした僕を、先輩は余計に笑い喜んだ。


『本当にくだらないですね…そんな冗談言って、何が楽しいんですか。』

『あはは!そのくだらない冗談に、ちょっとビビッてた英の顔〜!それ、ちょー楽しいぞ〜』


…いちいち冗談を挟まないと、会話ができないのか。弓道が上手くて、いつも楽しげで、悩みとかもなさそうで…僕とはまるで、つくりの違う人種だな。…胃袋とか、あるのだろうか。



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