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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
『きゃ〜っ三角関係?!いいね、それ!』
『いいって…何がぁ?』
『何か萌えない?響き的に。』
『きゃははっ!それ意味分かんないからー!』
勝手に盛り上がる隣を無視し、僕はただ黙々と昼食を堪能していた。すると、それを見兼ねたとばかり…
『すげーな、お前。こんだけ女子に絡まれといて、ノーリアクションとか。』
向かいの友人…中田が、パンをかじりながら呟いた。
『別に…いらないだろ、リアクション。』
『でもさぁ…やっぱり鵜川くんは、誰とも付き合ってないんだよね?一年の頃から、彼女は作らないって有名だもんねぇ?』
『あと、相当遊んでるって噂もね。超有名だよね。』
『でもちょっと、鵜川くんなら良くない?火遊びされても…だってさ、あんだけカッコいいんだよ?!』
ほら。現に、自分達だけで充分楽しんでるだろ。…にしても、この和えものうまいなぁ。
『余裕だねぇ〜ハナちゃんは。』
『はあ?』
『あれだろ。お前的には…クラスの綺麗どころと戯れるより、その目の前の弁当のが大事なんだろー?』
面白がるような視線が、うっとうしい。弁当に浮かれて…何か悪いのか。大体僕は、ほのり以外の女子は苦手だ。中田は綺麗どころと言ったけど…高校生の分際で、化粧をしてる女。そういうのは全部、あまりいい印象を持てない。…僕の勝手な、偏見だけど。