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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
『うっわ〜その顔ムカつく。つーかハナ、ほのりんの弁当食ってる時って、ぜってーにくれねーよな、オカズ。どんだけケチだよ。』
『残念だったな。ほのりの幼馴染が、お前じゃなくて。』
『ったく…まぁいいや、今日の一番はこれ…玉子焼きだろ!』
ドヤァ?!な顔をした中田に、すかさずハズレ宣告をしてやろうとした。でもその言葉は、隣の大声にかき消されてしまった。
『あ〜分かった!!ミキちゃん、鵜川くんのことが好きなんでしょーー?!』
『そっ…そんなんじゃないよぉ!だって、話したこともないし…』
『だから色々知りたいんでしょ?どおりでさっきから、鵜川くんの話ばっか…あ。きゃ〜赤くなって、可愛い〜ミキちゃん!』
…何か、すごいヒートアップしてるな。
どうでもいいけど、うるさい…
『はぁ…何で今日に限って、隣で食うんだろうな…』
『天気いーし、日向ぼっこじゃねーの?それより、さっきの答え!玉子焼きで合ってただろ?』
まくし立てる中田に、僕は首を横に振った。『じゃあどれ?』と聞かれ、『全部』と答えると、中田は大げさにお手上げのポーズをとった。