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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符


『えっ…グリンピースぅ?』
『きゃはは、それウケる〜!』


案の定笑われた。崇臣にバレたら…あいつまた、機嫌を損ねるかな。なに勝手にバラしてんだよ、とか言って。…ああでも、今は元々、機嫌が悪いんだっけ。


『弱点がグリンピースって、超カワイーよね!』
『ふふ、ちょっとイメージ変わっちゃうね。』
『てかミキちゃん。普通は好きな人の弱点より、好きなものとかを聞くんじゃないの?』
『え?あ…やだ、そっかぁ//』


何だか…このまま席にいると、崇臣の質問責めに合いそうだ。居心地の悪さを察し、席を立とうとすると


『ねぇねぇ英くん。鵜川くんて…どんな女の子が好きかなぁ?』


先手を打たれた。
何でいつの間に…全員で僕の席に群がってきてるんだよ。


『さあ…崇臣のことは、本人に聞くといいよ。』

『でもねぇ、あたし鵜川くんとは話したことなくて…ちょっとでいいから、教えてくれないかなぁ?』

『………僕に聞かれても、困るんだけど。』


特に、悪気があった訳ではないが。
溜息まじりに吐いたこの言葉は、“ミキちゃん”を少なからず傷つけてしまったらしい。彼女はバサバサとした睫毛を大きく見開き…肩を落として俯いた。




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