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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
『は…?』
『英くん、お願いします。鵜川くんとのこと、協力してください。』
『ミキちゃんが勇気出して言ってるんだから…英、あんたお詫びくらいできるでしょ?』
『そうよ、協力しなよ。鵜川くんとミキちゃんの、デート!』
全く分からない。
一体、どういう思考で物事を捉えたら…そう都合よく話をすり替えられるのか。
『悪いけど…そんな橋渡しみたいな事はできない。デートの約束なら、直接本人に聞く方が早いと思うけど。』
『何言ってるの。ミキちゃんみたいな、内気な女の子から誘うなんて、簡単にできる訳ないじゃない。』
『鵜川くんの都合聞くくらい、英くんなら簡単でしょ?毎日一緒に帰る程、仲が良いんだから。幼馴染と遊ぶ時間があるなら、ミキちゃんとデートする時間くらいあるでしょ。』
『別に、遊ぶ為に待ち合わせてる訳じゃないよ。近所だから一緒に帰ってるだけで…』
ラチがあかないな。
どうやってこの場を収めよう…
そう思いを巡らせる僕の耳に、次の瞬間。
厄介な言葉が、飛び込んできた。