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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符


『なんかずるい…あの、2組の子。』


僕は思う。
背伸びの化粧をしたり、女子同士の仲間意識が強くて、訳の分からない馴れ合いや庇い合いをしたり。それらは全部、女の習性なんだろうと。


『付き合ってもないのに、いつも鵜川くんを一人占めして…お弁当作って媚売って…やり方が、ずるいと思うの。』

『そうだよ、ずるいよね。何かあたしも、だんだん腹が立ってきちゃった!』
『ねぇ英、ウチらに協力するよね?じゃないとウチら…その2組の子、許せないかも。』


女の習性は、厄介だ。
中でも最も醜くて、厄介な習性が…


『…何で急に、ほのりが出てくるんだよ?』

『フン、あんたがミキちゃんを泣かすからでしょ?このままじゃ、こっちも割に合わないのよね。』

『だからって、何の関係もないほのりを…どうかする気なのか…?』

『まあ当然、ミキちゃんが味わったのと同じくらいの屈辱は、受けてもらわないとね。』
『あの子…見た目からして何か弱そうだよね。すぐ泣いちゃいそう。』
『ねー、守られて育ちました感、満載だもん。ウケるよね。』


……あの時と、一緒だ。
女はある時、突然豹変し、弱い者へ攻撃をしかける。理由なんてくだらないもの。それはただのキッカケに過ぎず、後は自身の優位性を維持する欲に取り憑かれ、心醜く相手を貶めていく。


全く…最低、最悪な習性だ。



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