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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
***
────小学4年生
『え、またお休み?』
急なほのりの欠席から、二日後の朝のこと。
昨日は元気に登校してきたほのりが、また休みだと告げられた。
『分かりました、お大事に…』
『…勇祐くん、崇臣くん。』
玄関先で踵を返した僕らに、言いにくそうな声がかかる。
『次からは…ほのりが集合場所に来なかったら、先に学校へ行っていいからね。』
『え……』
『こんな風に、家まで確認に来てもらうのは悪いし。班の子達も…万一、学校に遅れるようなことがあったらいけないしね。』
それは、今後もまた
今日みたいなことがあるということ?
『あの…ほのは病気なの?』
『大丈夫。悪い病気なんかじゃないのよ。』
『明日は来るの?』
『…分からないけど、行けたらいいなって思ってるわ。』
心配かけてごめんねと、ほのりのお母さんは僕らを送り出した。そして次の日、また次の日も、ほのりは学校を欠席した。