この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
なのに…
『なんで…?』
その一週間後。
ほのりはまた、朝の集合場所に来なかった。
『二人とも、行くよ。』
班長に促され、後ろ髪を引かれる思いで学校を目指した。
『…辛いのは、一週間じゃなかったのかよ。』
『…知らないよ、おれ女じゃないし。』
『二人とも、ちゃんと前を見て。信号変わるよ。』
さすがに変だ。
何となく、放っておいてはいけない感じがした。
『帰り、ほのの家行こう。』
『無駄だよ。どうせこの前みたいに、教えてもらえない。』
『じゃあ、どうするんだよ?!』
『知らねーって!おれにばっか聞いてくんな!』
『何だよ?!崇は心配じゃないのかよ!』
『なわけねーだろ!おれだって分かんないんだよ!』
『こら!ケンカするな!!』
珍しくムキになっていた。崇臣と言い合いすることだって、それまでほとんど経験がなかったのに。とにかくほのりのことが分からなすぎて…互いに苛立ちを隠せなかった。