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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
『ちょっと待てよ。ほのが佐伯から何かされてる?そんな話、一度も聞いた事ないけど…』
『本当かどうかは、まだ分からないんだ。ほのに確認をとった訳じゃないし。』
嫌がらせ…
それはつまり、イジメってことだろう。
そんな話は初耳で、僕は軽く混乱した。
『だからさ、まずは勇の目で確かめて欲しいんだ。実際そういう兆候が、あるのかどうか…』
『待て、待てよ。それならさっさと確認しに行こうぜ。直接聞くのが一番早いだろ、ほのに。あと、佐伯にも。』
『いや。こういうのは慎重に動いた方がいいよ。今はまだ、二人に聞くのは避けるべきだ。』
『はあ?何で?』
『嫌がらせが本当だった場合、おれらが探ってることがバレると、余計に悪化するかも知れない。それに本当じゃなかったとしても、変な疑いをかけられた佐伯はいい気がしないだろ。それがきっかけで、本当にイジメが始まったら意味がないし。』