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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符


午後、清掃の時間。


『どうだった、様子は?』

『うん、それがさ…』


男子トイレ担当の僕、廊下担当の崇臣は、真面目に掃除している他の同級生達の目を盗み、こっそりと報告をし合っていた。


『授業中や休み時間、それに給食の時も。あれからずっとほのを見てたけど…ほのと佐伯は、一回も会話してなかったぞ。』


そもそも二人は、席も離れている。休み時間になれば、ほのりは、いつも一緒にいる元木ユミコという女子とお喋りをして過ごしていた。


『何かさ…やっぱ間違いなんじゃないか?嫌がらせ。全然、そんな雰囲気ないよ。』


イジメの兆候どころか…接触すらしない二人の間に、トラブルなんか起こるはずがないと思った。一応崇臣の言う通り、ずっと見張ってはいたものの…途中からは内心、こんなことしても意味がない気がしていた。




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