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文句言いっこなしの三重奏
第9章 休符
一体、何が始まるんだ───?
ヒヤヒヤした思いに、変な汗が出る。何かあれば、すぐに飛んで助けにいかなくちゃ…!そんな思いから、僕はいつでも走れるように前傾姿勢になっていた。
そして、固唾をのんで見守る中。
目に映ったのは……
ごくごく普通の、光景。
やっていたのはただ順に、うんていにぶら下がるだけの…普通すぎる行為だった。当然、目立った口論も、ましてや殴り合うなんてことも起きはしない。
(なんだよ…遊んでるだけ…?)
どう見ても危険なことはなさそうで、何だか拍子抜け。…だけど、何事もなくて良かったと胸を撫で下ろした。そして、そろそろ崇臣を迎えに行こうと、僕は一旦校舎へ戻ったのだった。