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文句言いっこなしの三重奏
第10章 クレッシェンド


でもきっと…
崇臣だって、この気持ちは同じだと思うんだ…


そうして盗み見た横顔は、なんていうかこう…シュッとしていた。哀しげな顔には、だけど。僕みたいな怒りとか悔しさとか…そんな荒れた内面は一切滲んではいなくて。


(チッ…何なんだよ…
何でそんなに、冷静でいられるんだ……)


凛々しく立つ姿が、ひどく大人びて見えて。
何だか崇臣に、置いていかれた気がした。


『…誰かに告げ口したら、ただじゃおかないって言われてるの。ほのりちゃん、あれからお母さんにも言わないで、頑張って学校に来てたんだよ…』


それでも仕打ちは毎日続き、それが昨日の朝は夢にまで見てしまい、起き上がることができなかったという。



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