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文句言いっこなしの三重奏
第10章 クレッシェンド
『おまっ…ここで何し』
『きゃあ鵜川くん!!』
『嘘!何で、何で?!』
『どうして鵜川くんが、うちのクラスにいるのぉ?!』
キーーンと耳につく、色めき立った女子達の声。煩いな…まぁそんなことはどうでもいいんだけど。崇臣お前、どっから湧いて出たんだよ…
『アハハ、そんなにびっくりしなくても。ちょっと勇祐に用があってさ。何か取り込んでるとこ悪いなぁって思って、しばらく声は掛けなかったんだけど。』
少し前から近くにいた。だから話は聞こえちゃったんだ、ごめんねと、興奮する彼女らと僕を交互に見つつ、崇臣は言った。
『まあ、とにかく話を戻そうか。えーっと、君がミキちゃんだよね?要はさ、ミキちゃんがおれとデートする為に勇祐を脅してた。ってことで間違いないよね?』
容赦なく名指しされ、みるみる青ざめていく森脇の顔。まぁ、この流れで森脇の心境を思えば。そりゃあ、青くもなるだろうな…