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文句言いっこなしの三重奏
第11章 対旋律
『あ、ケチ!』
『先に遠慮したのはお前だろ。それに…あれはちゃんと流すつもりだったさ。』
『またまたァ〜「ほのりに何かするつもりなら許さない!」とか、直球投げるつもりだったんだろ?相変わらずだよなぁ、お前ってば。』
崇臣の言うことは、昔から大体当たっている。
さっきの女子との会話は…こいつが現れなければ、もっとこじれていたに違いない。ほのりを守りたいのは山々のくせに、大した術がないんだ、僕には。崇臣みたいな駆け引きも、うまくかわす話術も持っていない。
そういう僕の劣等感に、崇臣は気づいているんだと思う。