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文句言いっこなしの三重奏
第11章 対旋律
『ハァ……お前ほんと、何しに来たんだよ。』
『ぷはっ…いいじゃんか、息抜き位させてくれよ。』
崇臣の言う息抜き。それは、高校での交友関係を指している。普段、崇臣とつるんでいるような奴らは大概…根っこの部分が合っていない。それに時たま疲れ、こうして僕の側で休んでいくんだ。
『八方美人するからそうなるんだろ。自分のクラスにも居るだろーに、僕みたいな地味な奴。そういうのと打ち解けろって言ってんの。』
『フン…いるわけねーじゃん、他なんて…』
『はあ?』
『いや…地味っていうかさ。お前ほど自然にいられる奴って、そうそういねーって話だよ。気ぃ遣わないでいいっつーか、何でも分かってくれてるっつーか。』
『………』
『ゴクン…ほら、なんつーの?こう…息するみたいに当たり前的な?つまり、おれにとってお前の存在は…まさに空気!!そう、エアーそのものなんだよ!!』
『──帰る。』
『あははは待って待って、勇ちゃん♡』
なんだかんだ言っても幼馴染だ。
僕にとっても、崇臣が一番楽な相手だ。