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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
『つーかさ、今日はすっげー笑けるニュースありだぜ!』
『へー、どんな?』
『題して五年一組、牛乳カレー事件簿!ファイル1!』
『プッ…何だそれ?(笑)』
僕らはクラスが離れても、その日楽しかったこと、ちょっとしたクラスでの小話なんかをよく話していた。だから互いに、“その場にはいなかったけど何となく知ってる話”がいくつもあった。
『…それ最悪じゃん。そのカレーが入っちゃった牛乳、結局どうしたんだよ?』
『うん、梅木が飲んだんだ。一回フタしてシェイクして、あいつ一気に飲みやがった。』
『うッえ〜‼︎まずそっ!』
『それが「うんめ〜」だってよ。梅木だけに(笑)』
笑い話が一区切りつき、崇臣と廊下に出る。程なく辿り着いた下駄箱で、それぞれ靴を履き替えていると…