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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
『おい鵜川〜今から校庭行かねー?ケードロすんだけど、男子が少なくてさ〜』
ちょうど真裏にいる崇臣が、誰かに話しかけられた。多分、同じクラスの男子だろう。
『勇、今の聞こえた?行く?』
ちょっと待ってと話す声がした後、ひょこっと端から現れた頭。僕の意見を聞いてるが、おそらくそれは崇臣の好きな遊び。多人数でわいわいやれる上、女子もいるんだろうし。
『せっかくだから行ってきなよ。僕も見に行く。』
僕はあまり…そういうのは得意じゃない。
人見知りもするし、見てる方が気が楽だ。
返事を聞いた崇臣は、オッケーと言わんばかりの笑顔を作り、頭を引っ込めた。