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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
『勇くん、ここの問題なんだけど…』
学校に着いても。
『…元木に聞いたら?』
『え…?』
『その問題、僕もあんまり自信ないから。元木に聞いた方が正しいかもよ。』
そんなのは口実で。
『あ…うん、じゃあそうするね?』
本当は、ほのりと目を合わすことができなかったんだ。その日から段々、お互いに気まずくなり始め…
『お、おはよ…』
『うん…』
崇臣が欠席して三日目。とうとうこの日の会話は、これだけで終わってしまった。
ほのりの眼帯はまだ取れておらず、傷の具合がいいのか悪いのか。あれ以降、ほのりの身に何か起きたのかどうかさえ、確認が取れないでいた。