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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
それでも、僕とほのりの関係は修復できず。もう、友達でもいられなくなるのかと思っていた五日目…とんでもない事態を迎えた。
それは下校時のこと。いつものように真っ直ぐ帰るつもりが、この日は職員室に呼び出しを受けた。最近の授業態度に問題ありと担任から注意をされ、一人ふてくされて帰っていた、夕暮れの帰り道。
『お願い、やめて…』
ふと、誰かの声が聞こえた。
それは通学路にある神社の中から。いつか、ほのりが佐伯のイジメに悩んでいた事実を知った、あの神社だ。
神社を覗いてすぐの石段には、誰もいない。
木の生い茂る、奥の方に人の気配を感じた。
『あんたのそういう所、大っ嫌い!』
『痛っ…お願い、お願いだからもうやめて…ごめんなさい。あたしが悪かったから…』
『そうやってすぐ謝る。とりあえず謝ればいいとでも思ってんの?ほんとムカつく。もう片方の目も、潰してやろうか!』
女同士の声。
赤いランドセルの後ろ姿が見えた、その時───