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文句言いっこなしの三重奏
第2章 アンサンブル
「…何言ってるんだよ。
ほのりは物じゃないんだぞ。」
小さな頃から、ほのりのことが好きだった僕達。年々募る想いを、いいかげん持て余していた。中2にもなると、自分だけのカノジョにしたい、ただの幼馴染じゃ物足りない、…って。そんな気持ちも、かなり強まっていた頃だったと思う。
一言、好きだって言いたい……
けどそれは、三人の関係を壊すことでもあったから。僕らはどうしても、伝えられずにいた。
そんな状況で
仮に、今ここで告白し合ったとして。
あくまで選ぶのはほのりで、僕らは返事を委ねる側なのに。“手に入れる”って…、それに“勝ち”って言い方も、何か変だと思った。妙にズレてる気がして。
だから当時、僕はなんの気なしに軽く返した。ため息までついて、完全に油断しきって…これがまさか、自分の人生史上、最悪の過ちになるなんてこと。気づけるはずもないままに。
「宣戦布告はしたからな。
まずはおれが、手に入れる。」
鋭い目をした崇臣が
間髪入れず言い放った、次の瞬間。