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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
『えっ…わ、わ…勇くん?!』
『………』
毎日どれだけ我慢してきたんだろう。四六時中、目の上にこんな大きなコブをつけて。瞬きの度に痛いんじゃないのか。視界が半分だけなんて、真っ直ぐ歩くことすら怖いんじゃないのか。そんなことを感じながら無意識の内、僕はほのりを抱きしめていた。
『ねぇっ…誰かに見られちゃ…』
『ほの…痛い思いさせて、ごめんね。』
昔から小さいほのりは、やっぱり小さくて。僕だって背は大きい方じゃないけれど、それでも、ちゃんと抱きしめてあげられる。見てくれはこんなにか弱そうなのに…だけどほのりは、僕なんかよりもずっと強いんだと思った。