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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ


『えへへ…じゃああたしも、へっちゃら!』

『え?』

『だってね、勇くんに助けてもらったから。それにまた仲良しに戻れたから。だから、へっちゃらだよ!』


それは久々にちゃんと見た、
ほのりの花のような笑顔だった。


『ハハ……そっか。』

『うん!うふふ…』


僕は心底、その笑顔が好きだと思った。


『…そろそろ帰ろっか。』

『うんっ!』


街灯の照らす、アスファルトの帰り道。
繋いだ小さな手と、少し元気になったほのりの笑い声を隣に聞きながら、


僕は変わりたいと思った。


『ねぇ、すごく遅くなっちゃったね。お母さんに何て言い訳しよっかなぁ?』


この大切な女の子を、
ちゃんと大切にできる人になりたい。



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