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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ
『うふふ、勇くんと内緒ごと〜♪』
『ああ、二人だけの秘密だからな。』
繋いだ手の反対側で三つ葉を包み、そのまましーっとほのりは指を口元に立てた。思えば二人だけの秘密なんて、僕らには初めてのことだった。
『それさ、持って帰るの?』
『うん、お守りにする!』
『へー…でも、普通お守りにするなら四つ葉だろ?そんな三つ葉なんて、珍しくも何とも…』
『いいの!だって葉が三枚ってことは、あたし達みたいでしょ?三人一緒って感じで、あたしこれ好きだもん。』
三人一緒…か。
そうだよな。今は崇臣にも勝てない、泣き虫でバカで、ほのりよりも弱っちいダメな僕だから。それが不満だなんて、思っちゃいけないよな。