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文句言いっこなしの三重奏
第2章 アンサンブル
「…じゃあ、もうこわい顔しない?」
「うん、しないしない。」
「自転車も、もう投げない?」
「うん、投げない投げない。…ってか、自転車は投げてないから(笑)正確には、手放しただけだからね?」
面白い表現をされて、ちょっと吹きそうになる。だけどほのりは、余計にふくれた。
「でもあれ、すごい跳ねて転がっていったんだよ?もしも間違って誰かに当たってたら…今頃大変だったんだからね?!」
「…そうだね。ごめんなさい。」
「それに!危うく二人にも当たりそうだったんだよ?!途中で止まったから良かったものの…あんな危険なこと、もう絶対しちゃダメだからね?!」
「…分かった、ごめん。もうしません。もう絶対投げないって誓うから。だから許して下さい、先生。」
「えっ…先生?うん、はい、分かればよろしいのですっ!」
言いながら、自然と笑けてきた。ほのりの天然ってやっぱいいな、とか思ったりして。
変だな。なんだかすごく、幸せな気分だ。