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文句言いっこなしの三重奏
第2章 アンサンブル


──そうやって昔から、
  キミはどちらも選ばないから…


「勇くんも崇くんも…二人とも好き。あたし、二人がダイスキ…!だから、キスも一緒に……、三人一緒がよくて…」


“三人一緒”なんて言葉は
単に嬉しく、ひいてはことさらに煩わしい、呪縛のような檻だ。この中じゃ、僕と崇臣はいつまで経っても、一人の男として意識してもらえない。互いがいる限り、ほのりを一人占めすることも、ここから離れることも出来はしなくて。


「勝手なこと言ってごめんなさい!こんなの、めちゃくちゃだって分かってるの…でも、あたし……っどうしても…!」


……だけど、思うんだよ。


きっと、そんな優しいキミだから…
僕はずっと、好きでいられたんだろうって。


ほのりのことも、
こうして三人でいることも。


どちらも僕は、心底好きだから。
なら──…

















──キミの“好き“が手に入るなら、どんな形でも。たとえそれが卑怯なことでも、筋の通らない屁理屈なことだとしても。





















「……ほのり。……目を、閉じて…」




















──自分が選ばれないより、ずっといい。

──欲しいキミが手に入るなら。



いっそこの檻に、閉じこめよう。
鍵をして。逃げられないようにして。
二人で、キミの全部を奪ってしまおう……




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