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文句言いっこなしの三重奏
第3章 前奏曲
『随分と無責任ね…』
返す言葉も見当たらない。
こんなんじゃ、他の部員にだって失礼だ…
『英くんは…』
『まーまー美織、そんなしかめっ面ばっかしてると、美人がもったいねーって(笑)英に関してはとりあえず、怪我してないなら問題はないだろ。』
重苦しい雰囲気を破ったのは、やっぱりこの人。ぐーんと伸びをした岡田先輩は『うん』とひとりごち、そのまま立ち上がった。
『つーか、そろそろシメのミーティングやるか。美織、号令かけてくれよ。』
『はあ?!まだ反省会が終わってないでしょ?!もう日がないんだから、こういうことはきちんと話し合っておかないと!直せることなら、何か具体的な対策を…!』
『ハハ。心配しなくても、英は本番で残念なんかやらないよ。こういう日はさ、誰にでもあんじゃん。つーことで、話し合い終わり!んじゃ、全員集合ー!!』
強引な岡田先輩の采配で、今日の貴重な団体練は終わりを告げた。視界の端で、はあ…っと深い溜息をついた原先輩に、僕はとてつもなく申し訳ない気持ちになった。