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文句言いっこなしの三重奏
第3章 前奏曲
射形は自身の心の鏡、とも言われることがある。同じようにやっているつもりでも、体調やメンタルによって、都度、その射形には変化が生じる。
だから放った矢に、一つとして同じものは存在しない。
正射必中。
正しい射をすれば矢はおのずと中る、と解釈され。本来、矢は的に中てようと狙うものではないとも言われている。
理想の射にどれだけ己を近づけることができるのか。それが弓道であり、心技体を鍛え続けてゆく武道なのだと…、僕が初めて弓道に出会った中学の頃、そう教わった。