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文句言いっこなしの三重奏
第4章 アレグロ コン フォーコ


『んあっ…崇く、苦し…』

『こーら、まだだって。逃げんなよ…』


そうやって、崇臣だけを見つめて。
崇臣だけに自由にされて、昨日は…


さっきから口づけを繰り返す二人は、まるで今にも二人だけの世界に落ちていきそうだ。蕩けた表情に、熱っぽい視線、荒ぐ吐息も。そのどこにも僕が入り込む隙がなくて、疎外感で、悔しくて、めちゃくちゃ腹が立って…やるせなくて。


昨日の二人のことを頭に思い描けば描くほど…どうしようもない憎悪と嫉妬が膨れ上がる。


湧き起こる感情全てが、黒い。
黒く、真っ黒に僕を染めていく…


『ほのり…お仕置きだからな。』


言うなり僕は、側に隠し持っていたソレを手に取った。僕も崇臣も、まだどちらも弄っていない下の口へ…


『ふうっ!んー!んー!』


ローターを当てがった。


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