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文句言いっこなしの三重奏
第4章 アレグロ コン フォーコ
『…!
別に…それは間違ってねーだろが。』
ひくついた目と、強まる語気と。
それが、崇臣の染まった瞬間だった。
『んあッ…ん…はぁ…』
途切れ途切れに…甘い吐息が耳を擽り、僕達を煽る。目線は崇臣にやったまま、ほのりの唇を貪れば…見る間に刻まれる、深い眉間のシワ。ほのりの舌を外へ誘い出し、わざと見せつけ舐め合えば…憎々しげに奥歯を噛み締め、睨む。
…黒い。
返ってくる反応全てが、僕と同じ色だ。そうやって僕への妬みが募る度、崇臣のキレイな顔は歪み、瞳が濁っていく。
…いい気味だ。
もっと醜く、僕を睨めばいい。お前が黒ければ黒い程…所詮、僕らは同類だと思い知ることができるから。
そうさ、所詮…
『…間違えてるだろ。
お前は…ほのりの恋人じゃない。』
僕も。
どちらも、ほのりの彼氏じゃないんだ。