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文句言いっこなしの三重奏
第4章 アレグロ コン フォーコ
『フン…似たようなもんだろが。』
『そうじゃない…“違う”って言ってるんだ。いちいち訂正させるな…』
毎日のようにキスを交わしたって、何度肌を重ねたって、ほのりと付き合ってることにはならない。
『…どっちでもいーよ、そんなこと。つーか勇祐こそ、いちいち妬いてんじゃねぇよ。学校でキスくらい…悔しけりゃ、お前もすればいいだろ。』
『するか!二人の男とそんなことして、ほのりへの風当たりがキツくなったらどうする気だ!』
ほのりは選ばない。
だから、僕らが望んだって仕方がないんだ。
『はぁ…はぁっ…あああん、勇くんもぉダメぇ…オモチャ、これもぉやめてぇ…!』
堪えきれないとばかり、ほのりは頭を振った。息を荒げ、目を潤ませ、のぼせそうなくらい真っ赤な顔をして。逃げようにも、男の力には太刀打ちできないから。表情と口、出来る限りで抵抗したんだろうけど。…自分だけ、そんな簡単に望みが叶うわけないよ…
『分かってるの、ほのり?これはお仕置きなんだ。いくらやめて欲しくても…仕方がないだろ?』
欲しくても、仕方がない。叶うはずがない。
だって、キミが望まないのだから。
ヴゥゥウゥゥン、ヴィイィィ──…
『んんあぁああーーっっ!』
きっと、一生。
僕らは…
ほのりの彼氏に、なれはしない。