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文句言いっこなしの三重奏
第5章 二重奏


『ほのり、可愛い…』


イキそうになると緩んでしまう、ほのりの涙腺。今日はもう、幾筋も頬に跡が残っている。


『勇くぅん…』

『可愛いよ、すごく…』


必死に抱きついて、僕のリズムに鳴くほのり。愛しい…声も、顔も、性格も、みんな好きだ。柔らかで、可憐で、花のような笑顔で笑うこの小さな女の子を…


自分だけのものにしたい。


『あっイッちゃ…イッちゃうよぉ…!』

『はぁっ…僕もイク…ッ!』


汗ばむ体を押しつけて、熱い熱い口づけと共に放たれた僕の想いは、


薄い膜に阻まれて


ほのりに届きもしないんだ。



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