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文句言いっこなしの三重奏
第5章 二重奏


『ちょっ…?!』


咄嗟に引っ込めようとする手首を、素早く掴まれて。チロリ、指先を舌が這う。


『な、何やってんだよ…汚いだろ?』


すっかり精液の舐め取られた指を、ちゅぽんと出して。ほのりはフルフル首を振る。


『汚くない、勇くんのだもん。』

『…いや、でも嫌だろ?こんな気色悪いの、顔にかかっちゃって…』

『あのね…すごく熱いんだよ。かかった瞬間、頬っぺもお腹も。火傷しちゃうんじゃないかってくらい、すごく熱くって…』


ほのりの手のひらが、僕のと重なって。指と指の間に、華奢な指が次々降りてくる。そうして恋人つなぎになった手を、ギュッと握って。ほのりは、いつになく積極的な目で僕を見上げてきた。


『…勇くんの温度。こうやって手を握っても分からない…体の中の。勇くんの中はこんなに熱くって、顔に飛んじゃうくらい滾ってるんだって…。それを知れるからね、あたし嫌じゃない。精子出されるの、嫌じゃないの…』


潤む瞳でまっすぐに…


そんなこと言うなよ。


錯覚するだろ。



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