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文句言いっこなしの三重奏
第6章 カノン
『それが何でか…ププッ…高校入った途端、勇祐だけ時が止まっちゃって!マジでどうした?!おれ達せっかくの…せっっっかくの、育ち盛りなんだぜ?!』
『うるさいな…僕は順調に伸びてるよ。止まったとか、変な言いがかりはよせよな。』
事実…春にやった身体測定でも、僕の身長は伸びていた。普通にまだまだ、成長期だろ。
『はぁ〜あ。おれぁ心配だな…って、あれ?勇祐、どこ行った?』
『おま…っ頭に肘を置くなッ!そもそもな、勝手に追い抜いたのはお前だろ?!何なんだよ…っ自分だけ…!マジで、何食ったらそーなったんだ!!』
嬉々として爆笑をかます崇臣と、それを尻目に溜息をつく僕と。見兼ねたほのりの母親が…
『やあねぇ、勇祐くんだってちゃんと伸びてるじゃない!だってほら、ほのりより全〜然大きいんだもの!…ねぇ?それだけあれば、十分カッコイイわよぉ〜』
…なんだかすごく、もの悲しい気分になるようなことを。明るく、それは明るく言ってのけた。