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文句言いっこなしの三重奏
第6章 カノン


『ブフッ…!!』


隣で盛大に吹いた崇臣は腹を抱え込み、声も絶え絶えに震えている。


『いやまあ……
確かにほのり…ちゃんには抜かれてないですけど…』


もともと10センチ以上差のあるほのりを引き合いに出されても、意味ないような…。かと言って、何のフォローにもなってないです、とは言えないし。何て返せばいいか詰まっていると、また隣の男は


『あはははは…ドンマイ勇祐!ドンマ…っブフーッ!やべっ、おれ笑いじにそ〜!!』


…だと。
まあ、好きなだけ笑うのは自由だけど…僕の背中をバンバン叩いてくるのだけは、やめて欲しいが。


『…ねえ。崇くんてば、さっきから何がそんなに可笑しいの?』

『放っとけよ、ほのり。どうせ、どっか頭のネジでも飛んだんだろう。』


もういいだろ、この話。
そのうち崇臣なんか、余裕で追い抜いてやるし。今に見とけよ。


『おー?じゃあ勇祐、お前の体はどこのネジが飛んでんだよ?足か?胴か?それを締めれば、お前も一気に身長伸びるのかぁ?』

『バカなこと言うなって。この話はもう終わ…』

『じゃーさ、じゃーさ!試しにおれが買ってきてやろっか、ネジ!何インチにするかな〜はははは♪』

『この…いいかげんにしろよな、アホ臣ッ!』


やんや言い合う僕らの傍ら、ほのりの母親はくつくつと笑っていた。それがふいに、ぱんっと手を合わせ…


『…そうだ!良かったら二人とも、このままウチでお夕飯にしない?』


そんな提案をした。



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