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思い出のアルバム
第3章 それは突然に
翌朝
いつもの時間、いつもの電車
そういつもと同じ通学なだけ…
でも私にとっては…運命の日。
どっちに転ぶかはわからない。
でも…
後悔だけはしたくない!!
駐輪場にチャリを停める。
そして改札へ向かう。
もちろんその道のりで、ホームを見る。
「来てる…」
いつもの場所に先輩は立っていた。
一つ深く深呼吸をして改札へ向かう。
もう迷わない。
ダメだったら…由美と夏奈に慰めてもらおう。
いつもは目の前を通り過ぎるが、今日は立ち止まった。
先輩はいつもポケットに手を入れて電車を待っている。
携帯を見たりする姿は見たことなかった。
もちろん今日もそうだったので、すぐに私に気づいてくれた。
「おはようございます!!あの…昨日は、ありがとうございました!!定期だったから…あの…本当に助かりました!!」
ただ一言だけなのにドキドキが止まらない。
顔も見れない!!
だからどんな顔してるかわかんない。
お願い…早く何か言って!!!!
「偶然後ろに居ただけだから…プリクラ貼ってあったし」
あれ…なんか素っ気ない?!
一瞬思ったけど、もう止まらない。話かけられたんだ!!チャンス逃すか!!
「いえ…でもあんなにたくさん人居たのに…」
「毎朝見かけてるから」
えッッ・・・・・
その言葉に時が止まる。
私の存在に…気づいてくれて…た?!
あまりの驚きに声も出ない。頭が働かない。
「ねぇ…乗らないの?」
気づけば電車が来てた。
同じトコ…乗ってもいいのかな?
先輩の後に続いて乗り込む。
先輩は運転席の壁を背に立っていた。
「ここ…捕まる?」
先輩の隣に促され、立っていやすい場所を空けてくれた。
まさかの・・・一緒の通学になった。