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思い出のアルバム
第14章 悩みの末に

「えッッ!!じゃぁ今年はGWこっち帰ってこないんだ…」
『あぁ…。俺さ、現役で司法試験合格目指してるから。もうサッカーもバイトも辞めて、本格的に勉強し始めてるんさ』
「そうだったんだ…。私、何も知らなくて……」
『沙織だって今年受験あるし、部活だってもうラストだし、仕方ないよ…』
少し話して電話を切る。
なんか……寂しくなった。
修ちゃんの事、私は何も知らない。1人で決めて、自分で行動するから。
当たり前だけど、サッカー辞めようと思うとか
事前に少し聞いてたりしたかったな…。
最近、思う。
修ちゃんにとって私は何なんだろう…
最近の私は
修ちゃんの邪魔ではないかな?
「うん!!いいよ。サービスの確率上がってきてるね。後は、同じ立ち位置からクロスとセンターと打ち分け出来れば尚良いね」
部活のサービス練習中、今年から来たコーチに声を掛けられる。
言われた通り、同じ立ち位置からクロスとセンターを打ち分ける。
両方成功するなんて調子がいい。
「おッッナイスサービス!!その調子だ!!」
「ありがとうございます!!」
そして順番待ちの列に並ぶ。
すると、そそそーっと夏奈が寄ってくる。
「興味ないっぽい言い方してたくせにー!!コーチから指導されちゃって!!」
「そりゃ、指導しに来てるんだから、当たり前の事じゃん。私のせいにしないでよー」
「だってさーなんかコーチだって沙織ばっか見てる気がするー」
「そんな事ないよ……ほら、夏奈の番だよ!!」
全く夏奈は余計な事しか言わない。
今の私には、部活が良いストレス発散だった。
色々モヤモヤする気持ちが……吹っ飛ぶ気がした。

