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思い出のアルバム
第3章 それは突然に
「あ、いたいた。お待たせー」
由美がやっと来てくれた。
その瞬間、私の異変にも気付く。
「・・・どした?」
何だろ。まだ自分の頭でも整理できない。
由美は私の様子や周りを見渡す。すると
「つーかあっち先輩いるじゃん!!行かないの?」
行こうとする由美の腕を取り、
「いいの…行かない…」
それで由美は何か察してくれ、肩をポンポンと叩く。
「先輩…彼女…居るかも…」
「え?!マジで?何か聞いたの?」
さっきの2人の会話を思い返す。
「修司さぁ…あの子アメリカ行って何年?」
「礼子?…昨年行ったばっかだよ。帰ってくるかさえ知らないよ…」
「そうだったな。どうするの?」
それ以上は聞けなくて、
いや
聞きたくなくて、そっと離れた。
「なるほどね…でも、それ彼女かどうかもわかんないじゃん。ただの幼なじみかもしれないし」
「そうだけど…なんか想ってる感じしたからさ…」
最近、朝良く話してたから、なんとなくこのまま上手くいくんだと思っていた。
けど
やっぱり甘かったんだな。
「先輩に聞きゃーいいじゃん。彼女いるんですか?って。どうせフられるなら、はっきりさせたくない?」
「そうだけど…まだその勇気がないよ…今の朝の時間を楽しみたい…」
完全に振られたら、気まずくなって絶対に話なんて出来ない。
そう思ったらその選択も間違いじゃなかった。