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思い出のアルバム
第3章 それは突然に

「いい加減にしなよー。このままフられてもないのにフられた気分でいるの?いいの?」


発車時間を待つ、帰りの電車内で由美に怒られる。


「わかってるよ…このままだったら…話かけず一方的に想ってるのと同じだって。でも…」


「でもじゃないよー」


さすがの由美も呆れている。

そりゃそうだ。こんな自分、私でも嫌だ。


ふとホームに視線を移す。


「・・・・・!!」


先輩が歩いていた。


久しぶりに見た先輩…

相変わらずカッコいい…

素敵…

やっぱり…好きだッッ!!



でも私は動けなかった。

視線もすぐ外してしまった。



「沙織ー由美ー!!」


後ろの車両から友達が2人が寄ってきた。


由美と2人だったら…

由美が先輩の存在に気づけば、そっちに行かされるかもしれない。


友達が来てくれて少しホッとした。



すると由美が耳打ちしてきた。


「後ろ!!乗り口んとこ。先輩いるよ!!」


私は進行方向と逆を向いていたため、振り返らないと先輩の姿を見れない。


きっと気づいてないと思って教えてくれたんだろう。


私は、少し微笑んで、違う友達に話を振った。











最寄り駅に着く。

なんとなく気まずくて、ギリギリ最後に降りた。


乗り口付近に居た先輩は、きっと早々降りてるだろうと予想して。


案の定、降りる時にその姿はなかった。



「あんた…本当にいいの?」


後から来た友達と別れ由美と電車を降りる。


「うん……」


その時、たくさんの人混みの中に


その姿を見つけてしまった。


改札へ向かう階段の少し手前


誰かを…待ってる?


まさかな…。


違うよね…。


それじゃ都合良すぎだよね…。


先輩の目の前を通り過ぎようとしたとき



「シカトすんなよ…」


と腕を引かれた。


久々に間近で見た先輩は、不機嫌そうな顔だった。


由美は、私の背中を軽く叩いて先に行ってしまった。


我慢出来ず涙が零れてしまった私は、俯くまま顔を上げられなかった。
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