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思い出のアルバム
第5章 秋
チャリを停めた所に行くと、修ちゃんが待っててくれた。
朝、修ちゃんのチャリ見つけて隣に置いたんだよね。
「修ちゃん・・・」
顔を上げたその表情は、やっぱりどこか強張っていた。
「・・・・・」
修ちゃんは無言でチャリを押して歩き出す。
置いて行かれないように追いかける。
横に並んで歩きながら、何で不機嫌なのか考えてみる。
答えは出なかったけど。
「修ちゃん……」
沈黙に耐えられず声をかける。
修ちゃんは顔をこちらに向けたが何も発しない。
「しゅ…修ちゃんって…やっぱりモテるんだね!!」
今日、学校で見たことを思い出して伝えてみた。
「は?何で?」
返ってきた答えは、すごい冷たいものだった。
「いや…今日ね、由美と夏奈と一緒に文化祭行ったの。修ちゃんに会いに…内緒で。それで、女の子に囲まれてるの見たから…」
ほんの少し驚いたようにピクッと顔が動く。
が
また無表情になり
「そっか…」
で終わる。
本当に今日の修ちゃんどうしたんだろう…
黙ったまま歩くと、修ちゃん家に着いた。
部屋が暗いからまだ誰も帰ってないっぽい。
腕を引かれて、部屋へと連れ込まれた。