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思い出のアルバム
第6章 合コン?!
「じゃぁとりあえずドリンクバーで乾杯だな!!」
ファミレスに集まってワイワイ始まる。
どうやら夏奈と同中の子で開催されたようだ。
学校の話、部活の話、好みの子の話。
相手の子達もみんな面白い子ばかりで、沙織もその場を楽しんでいた。
「沙織ちゃんどういう人がタイプなの?」
目の前に居た子に聞かれる。
「うーん…一緒に居たいって思える人…かなぁ。あと自分より背の高い人!!」
沙織は背が高いのがコンプレックスだった。
みんな羨ましがるけど、本人は小さくて可愛らしい子に憧れていた。
「じゃぁとりあえず背は俺クリアしたね!!」
どうやら目の前に居た子、勇樹は沙織狙いだったらしい。
「あー止めときなよ勇樹くん。沙織は理想高いからー」
隣から由美が助けてくれる。
「いいじゃん!!どうしようと俺の自由だろ?」
「じゃぁ俺も立候補しようかなぁ」
「えーじゃぁ俺由美ちゃん」
「つーか、じゃぁって何よ!!ヒドくなーい?」
そんな感じで時間はあっという間に過ぎる。
気付けば7時前だった。
そんなに遅い時間ではないが、夕方までって修ちゃんに言われた事が気にかかる。
上手い具合に夏奈がまとめてくれて、みんなそれぞれアドレス交換して解散になった。
「修ちゃん…!!」
東改札のロータリー真ん中
いくつかベンチがあって、その1つに座っていた彼に走って近付く。
「遅くなってごめん!!ずっと…ここで待ってたの?」
5時前頃に【東改札のロータリーのベンチに居るから終わったら来て】とメールが入ってた。
気付いたのはついさっき。
みんなでアドレス交換するのに携帯を出した時だった。
「随分楽しかったみたいだね…もう7時過ぎだよ?」
「ごめんなさい…」
とりあえず謝るしかなかった。
時間を忘れて楽しんだ事、メールに気付かなかった事、ずっと待たせてしまってた事。
沙織なりに悪いと思っていた。
「とりあえず行こう」
修ちゃんが私の手をとって歩き出す。
その手の冷たさが、待っていた時間を実感させた。