この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
思い出のアルバム
第7章 運命の冬
そしてクリスマス当日。
「なんかオカンが料理作るから夕飯は一緒に食えってさ」
街中を歩きながら、今日のプランを言われる。
「うん、修ちゃんママのご飯美味しいから嬉しい」
お世辞とかじゃなくて、本当に美味しいから楽しみだった。
「んで、今日はそのままお泊まりな」
「えッッ・・・」
もう何度もヤることヤってるのに、そうに言われると恥ずかしくなる…
「嫌なのかよ…親御さんうるさい?」
「いや、今日は友達とクリスマスパーティーするって言ってあるから大丈夫。後で連絡するし」
そして寒い中、手を繋いでクリスマスの街を楽しむ。
今日は忘れたい…
あと少しで離ればなれになる事なんて…
ずっとこの手を…繋いでいたい…
修ちゃんは…どう思ってるのかな…
夕方、駅前のイルミネーションの点灯を見届けて、家路に着く。
修ちゃん家に入ると、途端にチキンの焼ける良い匂いが漂う。
「あらーおかえり。もうすぐ出来るわよー」
「じゃぁ手伝います」
勉強を教えてもらうようになってから、実は料理も色々教わっていた。
元々、料理の基本は出来てたけど、修ちゃんの食べ慣れた味を知っていたかったから。
「修司がさ、家出ても沙織ちゃんは遠慮せず来てね…私、寂しいのよ」
ママの口から、そんな話をされる。
「いいんですか?迷惑じゃなければぜひ!!」
「迷惑なんかないわよ!!もう娘同然なんだから。必要なら勉強もまた見てあげるわ」
「ありがとうございます!!」
娘同然…その言葉が嬉しかった。
何かあったらママを頼ってもいいよね。
もしも、連絡とか取れなくなっても…ママから色々聞いちゃおう。
そうすれば…寂しくなんか…ないよね…