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思い出のアルバム
第2章 一目惚れ
「今日も朝からニヤニヤしちゃって…気持ち悪い」
朝の満員電車に一緒に揺られている友達。由美だ。
「そんなニヤニヤしてないよ!!つーか由美声でかい!!」
「はいはい。すいませんねー」
彼を見つけてから、毎日私も同じ車両の乗り口から乗車する。
由美はそれに付き合ってくれてる、同じクラスで1番の友達だ。
「でもあのイケメンじゃー彼女いるでしょ。つーか沙織なんかムリムリ!!中学卒業したばっかのガキって思われて終わりだよ」
「そう言う由美だって同じじゃん…」
確かに、高校入学して1ヶ月ちょっと。
まだ垢抜けてもいない。
校則の厳しい学校に入学してしまった事もあり
髪は真っ黒。パーマ禁止。ピアスもダメ。濃い化粧もNG。
靴下は白。カーディガン禁止。
オシャレから程遠い学校のせいもあり
高3の人と比べればやはり幼稚に見えてしまうだろう。
ただ、幸いな事に、沙織は背も高く、テニス部で運動してるのもあり普通よりやや痩せ型。
顔も大人びていた。
磨けば光る素材ではあるが、まだ原石のままな感じだった。
「とりあえずさぁー話かけてみなきゃ何も始まらないよね」
由美の発言はごもっともだ。
ただ、毎朝見てるだけ。
一方通行じゃ相手には何も伝わらない。
ただ、話するきっかけもない。
いつもその壁にぶち当たるのだ。