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思い出のアルバム
第2章 一目惚れ
「おはよー。今朝もお務めしてきたの?」
教室に入ると、夏奈に話かけられる。
「相変わらず見てるだけだけどねー」
「しょうがないじゃん」
毎朝お決まりの会話だ。
夏奈は学校までチャリ通だから先輩を知らない。
話だけだが、まぁうちらには最適な話題だ。
「あたしだったら、電車の揺れとか使って、キャーッすみません!!って抱きついてみるけどね」
「それで嫌な顔されたら終わりじゃん…」
「何もしないよりいいじゃん!!一つのきっかけだよ」
「まぁそれ出来なくもないよね!!私もチャンスになると思うけどー」
「由美まで・・・」
確かにこのまま見てるだけで終わるのは嫌だ。
高校生になったら彼氏作って、青春するんだ!!って
なんとなく思ってたから。
「でも妄想膨らむよねー。その先輩も男じゃん?!満員電車で、ふらついて抱きついた拍子に胸でも押し当ててみたりしてさぁー。ドキドキさせたりとかー。そこで上目遣いで、“すみません・・・”絶対嫌がられはしないでしょー」
「夏奈…あたしそんな色気無いんですけど」
「つーか私がやりたーい。いいなー電車通学。超羨ましい!!」
「授業始めるぞー!!」
担任が入ってきて会話が中断した。
授業中も頭から離れない。
私も、もっと美人だったら…
もっと色気があったら…
夏奈が言うように、色々出来ただろう。
自分に自信もないのだ。
先輩も今頃…授業中かなぁ・・・
そんな風に考える事しか出来なかった。