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思い出のアルバム
第8章 桜が舞う前に……

駐輪場にチャリを止め、改札へ向かう。

だいたい県内の高校は卒業式が同じ日。

それが今日……




いつもの時間、いつもの電車。

いつも1番前の車両、いつも街灯の横……


修ちゃんの存在に気付き、毎日見ているうちに一目惚れして


偶然が重なって、付き合う事になり……



今に至る。





こうやって改札へ向かう道からホームを覗き、

修ちゃんの後ろ姿を見るのも…今日が最後……


思わず、2人のカメラでそんな後ろ姿を隠し撮りした。




改札を通り過ぎ、いつもの場所へ歩く。


「おはよう……」


「おぅ……」


いつもここでこうやって挨拶を交わして、電車を待って、

由美や佐藤先輩と一緒だったり、別だったりして登校して……


なのに今日は


変な感じだ……。



「こうやって…一緒に朝行くのも…最後だな…」


修ちゃんが呟く。


「そうだね…。1年なんてあっという間だった…」


修ちゃんが居たから…早かったのかな?



最後の電車がホームに到着し、電車に乗り込む。


由美は気を利かしてくれたのか、今日はいない。


卒業式だからか、人も疎らで、いつもと同じ電車なのに、いつもと違う雰囲気を醸し出していた。



2人並んで座席に座る。

そしてどちらからともなく手を繋ぐ…



言葉はいらないーーー


そのいつもの15分を堪能した……





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