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思い出のアルバム
第9章 友人の力

夏奈のおかげで、今日は夢中で部活に取り組めた。

お昼奢るって言ったら、


「それより今日は早く先輩に会いに行きなよ」と

気を使ってくれた。


部活終わり


【部活終わったから、会いに行っていい?】


と修ちゃんにメールする。


すると


【駅で待ってる】


とすぐに返事が来た。



急いで駅へと向かう。



【東口のロータリー 銀行の前ね】


もしかして……部活終わるの待っててくれたのかな?


急ぎ足で向かった。


が、そこに修ちゃんの姿はない。


場所が違ったかと思ってキョロキョロしてると


「沙織!!」

と呼ばれた。


でも修ちゃんは見つからない。


「右!!こっち!!」


言われる方に向くと……



「え……何で?!」


修ちゃんが車に乗っていて、運転席から助手席の方へ身体を伸ばして呼んでいた。


「乗って……」


予想外の展開。

まさか修ちゃんが車で来てくれるとは……


運転する修ちゃんの姿を横目でチラチラ覗く。


ヤバい……カッコいい……


「ねぇ修ちゃん…いつ免許取ったの?」


「合格出た後にね。こっちじゃなきゃ不便だし、大学行き始めたら通えないからさ」


どうやら、受験も部活もない年明けに、教習所に通っていたらしい。


「知らなかった…教えてくれてても良かったのに……」


「こうやって迎え来て、驚かせたかったんだ」


無邪気に笑う修ちゃんを見ると、昨日の出来事が申し訳なくなる……


いくら事故だとはいえ、他の男と……


「修ちゃん……昨日は……ごめんね……」


何とかそれだけ伝える。

修ちゃんと会うのが楽しみだったのに…私は……



「全部…聞いたから」


え?!と思い、修ちゃんに視線を向ける。


「朝、由美ちゃんから連絡来てさ……全部聞いたよ」


コンビニの駐車場に車を停め、修ちゃんが私を見つめる…


「俺も悪いよな……あの日は、確か俺が嫉妬して…そのせいで嫌な思いさせたな……しかも、助けてやれなくて。ごめんな……」


頭に手が乗せられ、優しく撫でられる。


「しゅ…ちゃん………」


涙が止め処なく溢れてくる…

修ちゃんは何も言わず、優しく撫でてくれる…

私が落ち着くように…落ち着くまでずっと……

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