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思い出のアルバム
第10章 嫉妬
「なぁ…そのワンピしか着替えないの?」
「ないよー。明日帰るだけだから同じでいいかなぁーって。下着と寝間着だけ……」
さっきから修ちゃんが渋っている。
修ちゃんの所へ行くから、少しはオシャレしたい!!キレイになりたい!!と思って、夏奈に選んでもらったワンピ。
どうやら修ちゃん的には、露出が高くて嫌らしい。
普通のミニワンピなのに…しかも日焼けで真っ黒な肌…。誰がなびくというのか…
時間が迫ってきて、仕方なく修ちゃんも自分のパーカーを羽織らせて諦めた。
真夏にこれは正直暑かった……
小さな居酒屋。
そう言えば…みんな未成年……
この頃は、まだゆるかった…事にしておこう。
修ちゃんに手を引かれながら中へ入る。
「いい?俺の隣から離れないんだよ!!それから、他の客とかシカトしろよな。あと……」
「わーかったから……」
なんか彼氏を通り越してパパみたいだった。
そんな事、口に出して言わないけど。
「おッッ!!修司来たなー!!」
「おーッッ噂の彼女だ!!」
もう始まってるらしく、みんなテンション高かった。
端の方、修ちゃんの隣に座ると
「何飲むー?」
目の前に居た人が、メニューを渡してくれた。
「俺、ウーロン茶、沙織はリンゴジュース」
見る間もなく修ちゃんが答える。
「は?修司飲まないの?いいじゃん彼女居たって。つーか、彼女も飲めばいいじゃん!!どっちかは付き合えよ!!」
「じゃぁ俺、ウーロン杯。沙織はダメ!!」
「ったく…怖いパパですねー。彼氏じゃなくて父親だよお前」
と笑いながら注文してくれた。
私は修ちゃんのTシャツの裾を引っ張る…
「修ちゃん…お酒飲めるの?」
そんな所を見たことない。無理してるのか聞くと
「そんなには飲めないけどな…」
その答え方は、量は飲めないが、よく飲むんだということと認識した。